2026年9月30日より開催の『濱谷宗慎 個展 Re;birth』
おかげさまでたくさんの方にご来場いただき、10月5日に終幕いたしました。
とりわけ今回、米蔵ギャラリー2階、今個展のテーマを象徴するインスタレーション展示「豊穣の間
-World of Dionysos-」はすさまじい没入感を得られる展示となり、一般のお客様、アート関係のお客様、双方から多大なる高評価をいただきました。
人はどこからきてどこへ行くのか…
さまざまな神話の世界で、神は自らの姿に似せて人を創ったといわれています。
神たる人
人たる神
ならば、人は神の分身といって然り
自らの運命を切り開き、生きる道を選び取る。
神たる人であってこその成せる業です。
会期も終幕いたし待たしたので、今個展の主な作品展示をプレイバックでご紹介して参ります。
恋心 ペルセポネー

◇素材:ミューズ紙・アクリル・OHPフィルム・セロファン・ジェッソ・レジン・アクリル棒・木製パネル
◇size:
SSM 227×227mm[作品本体]
約 H376×W376×D50mm[額装]
◇ジャンル:切り絵


ギリシア神話に登場する冥王ハーデスの妻、冥界の女王。
【自ら生き方を選ぶ強き女性像】
ペルセポネーは様々な謀略によってハーデスの妻にされてしまったのだろうか?
神話ではアプロディーテーの嫉妬とハーデスの画策により、無理やり界の女王にされてしまったペルセポネー。しかし、少なくとも、ハーデスは純真で女性の扱いに不慣れで、母と地上を恋しがって泣くペルセポネーに一切手出しををせず丁重に扱ったことから、次第に彼に心惹かれるようになったのではないか。
地上に戻る際に口にしたザクロはハーデスの画策ではなく(あるいは画策と知りつつも) 彼と一緒にいたいという想いからペルセポネーが自ら口にしたのではないか。
さまざまな愛憎劇や政治的理由など、現代の恋愛・結婚にも通じるペルセポネーのエピソード。
自らの自由な意思で愛をつかみ取っていく現代の強い女性の象徴として神話をリ・デザイン。
四隅にある四季の花
春:アネモネ
夏:ミント
秋:ザクロ
冬:スイセン
はどれもペルセポネーの物語に登場する四季を象徴する植物です。
本来ならば、春から秋にしかペルセポネーはおらず、冥界に行く間は不毛の冬が訪れるとされていますが、きっと自ら冥界を選んだ彼女の力は冬の間も地上に届いており、現代では冬だからこその実りや栄華もあることから、冬、銀色に輝くスイセンを加えました。
ほどける髪結い、ザクロと胸を射抜く光は、ハーデスへの恋であり、
エロスがハーデスを射た矢の対比になっています。
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冥界 ーWorld of Hadesー




[現代、理想の死]
「死」自体はどんな生き物にも絶対的に訪れるもので、いろいろな物語でハーデス始め、冥界の神々は強大な力を持つ恐ろしい悪として描かれることが多いですが、私はそうは思いません。
「死」を恐ろしくしているのは人間であり、本来は穏やかなもので眠りの延長という解釈と、終活やクオリティオブライフを追求する現代の人間の生き方反映させた神話のリ・デザインとして、優しさと穏やかさに満ちた雰囲気の作品にしました。
展示エリア全体は仏壇をイメージしています。
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Elysion

素材:ミューズ紙・アクリル絵具・レジン・ケントボード・アクリルバー・OHP フィルム・ホイルフレーク
サイズ:F10 H530 ✕ W455mm
制作年:2026年



ギリシャ神話の冥界の最奥「Elysion(エリシオン)」極楽浄土とそこを治める最高神ハーデスとその妻ペルセポネーを描いた作品。選ばれた清き魂のみが辿り着ける浄土。死と再生の象徴。
死を扱う神ハーデスの衣装は同じく生と死に縁のある日本の陰陽師や僧の袈裟を、二又槍のバイデントは錫杖をモチーフにしています。
ペルセポネーはハーデスの妻となった象徴として髪を完全に解き冬の花スイセンの髪飾りを身につけています。帯の紋様も冬の植物、南天の紋様が現れています。
番犬のケルベロスとオルトロスの兄弟はタイの蛇龍王ナーガをモチーフとしています。
ギリシャ神話ながら、神話の現代的リ・デザインということで、死からの輪廻転生という思想のある日本やアジアの要素を多めにいれて制作しました。
今展新作
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Thanatos

Hypnos

素材:ミューズ紙・アクリル絵の具・ケントボード・水性塗料・OHPフィルム・版画紙・レジン・アクリルバー
サイズ:A3
制作年:2024


ギリシャ神話に登場する有翼の双子の兄弟神
死の神 Thanatos(タナトス)
眠りの神 Hypnos(ヒュプノス)
優しく穏やかな冥界を共通イメージに
死を扱うタナトスは涼やかでシャープに
眠りを扱うヒュプノスは柔らかでマイルドに
デザインしました。翼をリンクルさせて配置することで立体感を強調。
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Arabesque the ruins




素材:ケント紙・アクリル絵具・木材・石膏
漆喰・螺子金具・アクリルパネル
サイズ: H450 × W320 × D320 mm
制作年:2019
「時代」を越えても、存在し続ける美。
「破壊」されても、なお輝き続ける美。
一つの時代を築き上げた美しさは
時を越えても、その時代の空気を内包したまま
色褪せることなく、後世に伝えられます。
真に美しいものは
たとえ大きな破滅にあっても
滅びをも取り込み、人々を魅了し続けます。
「時代」を越え、風化しても純白の輝きを放つ石柱。
「破壊」され、無惨に大きく欠け落ちても凛と佇む青い文様。
戦争、災害、テロリズム…
特に「破壊」は、私たちの暮らす現代社会において身近に存在し、中東をはじめ、今も世界の至るところで起こっています。
「Arabesque」はそのタイトルの通り
アラビアに存在する「文様」と「遺跡」をイメージして制作しました。
一時代を築き上げ、あらゆる破壊に遭っても屈することのない、先人たちがつくりあげた偉大な「美」への崇敬の想いから、このシリーズの作品をつくり続けています。
Arabesque作品群





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Icarus ALIVE


形態:切り絵
素材:ミューズ紙・アクリル絵具・レジン・OHPフィルム・カラーセロファン・アクリルバー・ケントボード
size:F6 410×318(作品本体)
制作年:2022
傷だらけでも、叡智を重ねて…
クレタ島の迷宮より父ダイダロスと共に幽閉されたイカロス。蝋で固めた鳥の羽で飛行による脱出を試みます。しかし太陽に近づき過ぎた為に羽は溶け、落下し命を失います。
しかし、こちらのリ・デザイン作品では夕刻を待ち、羽が壊れ、傷だらけながらも生還したイカロスを制作しました。
空を飛ぶことや太陽の力など、神の領域で人間には禁忌とされたものもでも、失敗を繰り返しながらも、現代ではそれらを使いこなし、強く進化する人類になぞらえています。
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5 ELEMENT

素材:ミューズ紙・アクリル絵具・レジン
木製パネル・アクリルバー・OHP フィルム
サイズ:H227✕W227mm [作品本体]
約H376✕W376✕D50mm[額装]
制作年:2022


アクリルパネルによる挟み込みを無くし、OHPフィルムによるグラデーションの透過色を施した切り絵の初作品。.
・木:葉脈🍃
・火:燃焼反応🔥
・土:団粒構造🧱
・金:自然金結晶⚜️
・水:波紋💧
と五行を表現しています。
こちらの作品は、私の過去の作品テーマである「森羅万象」と現在のテーマである「神話 遺産」が合体した作品で、自分の中でもいつか合体するのではと薄々感じており、それが形になりました。
私達の先人の方は色んな学問や文化、芸術、技術、叡智を遺産として残してくれています。今ある先進のテクノロジーももちろん色んな人たちの血と汗と涙の結晶で素晴らしいもの。過去と現在、二つの良いところが手を取って未来へ繋がってく想いを込めて作った作品です。
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Dionysos

素材:ミューズ紙・アクリル絵の具・ケントボード
カラーセロファン・水性塗料・OHPフィルムアクリルバー・レジン



人と神と、
不遇な生まれの中でも腐らず、高みを目指し、恩を受けた者には手厚い優しさも持ち、仇を受けたものには容赦しない非情さも持つ。強すぎる力を持っているがゆえに人間以上に世俗まみれの神がほとんどな中、自らのカで神性を切り開いていったディオニュソスの生き様はとても好きで共感を覚えます。
のちに12神だったヘスティアーが彼に12神の席を譲りオリンポス12神に加えられたという説話もありますが、神と人の間という不完全な存在ながら、自らの力で人々を認めさせ、神性を獲得していった姿はとても強く、現代的で、12番ではなくオリンポスの13番目の神として加えられてしかるべきだと感じ作品として制作しました。
Dionysos [ディオニュソス]の神話
・神と人間の混血神
・豊穣と葡萄酒、酪酎と陶酔、激情的芸術を司る神
・13番目のオリンポス神
ギリシャ神話の神ゼウスと人間の愛人セメレーとの間に生まれた神。ゼウスの正妻ヘーラーの嫉妬の謀略により胎内にいるうちに母セメレーが命を落とすも、ゼウスに匿われ、その後、男神ながらセメレーの姉妹イーノーに娘として育てられる。
成長したのち、ディオニュソスはブドウ栽培などを身につけて、ギリシアやエジプト、シリアなどを放浪しながら、自らの神性を認めさせるために、言者の獲得に勤しむことになる。彼には踊り狂う信者や、サテュロス(下級精霊)たちが付き従い、その宗教的権威と魔術・呪術により、インドに至るまで征服した。また、自分の神性を認めない人々を狂わせたり、動物に変えるなどの力を示し、神として怖される存在ともなった。
ワインの伝来についてはイーカリアー村で農夫イーカリオスのもてなしを受けたディオニュソスは大変に感謝し、返礼としてイーカリオスに葡萄の栽培と、ワインの製法を伝授した。イーカリオスは出来上がったワインを村人たちに振舞ったが、初めて酒を飲んだ村人は酔いが理解できず、毒を盛られたと誤解してイーカリオスを殺害。娘のエーリゴネーは父の死を悲嘆の余りその場で自害。事の次第を知ったディオニュンスは怒り、村の娘全員を狂気に陥らせ、集団縊死に及ばせた。やがて誤解と知った村人たちの手で哀れな父と娘は供養され、ここにディオニュンスの怒りも収まり、同地は葡萄の産地として名を知られるようになった。
熱狂的な者を獲得し、ディオニュソスは世界中に自分の神性を認めさせた。更に、冥界へと通じるとされる底無しの湖に飛び込んで、死んだ母セメレーを界から救い出し、晴れて神々の仲間入りをしたという。
今個展 メインビジュアル作品
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豊穣の間
-World of Dionysos-














切り絵のエンタシス柱
黄金の葡萄
舞い散る羽
今展メイン作品「Dionysos」に合わせて作り上げた米蔵2階インスタレーション作品。
暗闇に浮かび上がる幻想空間は櫻井淳 氏作曲の個展BGMとも相乗し、観る人を深い没入へと誘います。
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個展専用BGM


音楽家 櫻井淳 氏 作曲による「濱谷宗慎 個展 Re;birth」長編組曲
title:
神話大全 黎明
神話大全 創成
神秘的で壮大なメロディは会場の作品展示をさらに格調高いものに演出します。
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丸濱農園ぶどう

会期中は濱谷宗慎・弥生夫婦が経営する丸濱農園のぶどうも販売いたしました。
品種はピオーネ・シャインマスカット・ベリーAの3種
おかげさまで大好評のうちに今シーズンのぶどうは全て完売!!
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たくさんの皆様のご高覧、本当にありがとうございました!
本当に夢の様な会期でした。
作品、展示も確かな手応えを感じることができましたので、またこれからの切り絵作家・ギャラリスト 濱谷宗慎の活動活かしてまいりますので、これからもご指導、ご鞭撻、応援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
茶吉庵ギャラリーギャラリスト・切り絵作家
濱谷宗慎
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濱谷宗慎 個展 Re;birth
◆開催日時
2026年9月30日(水) ~ 10月5日(月)
12:00 ~ 18:00まで
(最終日は16:00まで)
※入場無料
◆開催場所
茶吉庵 米蔵ギャラリー
〒581-0883大阪府八尾市恩智中町3丁目-1
公共交通機関をご利用の場合は「JR環状線 鶴橋駅」から徒歩で「近鉄 鶴橋駅」へ。「近鉄大阪線」普通にて「恩智駅」下車。 徒歩8分。
🍇会期中は『丸濱農園』ぶどう販売もいたします。[売切れ御免]
🎵個展オリジナルBGM 櫻井淳
📸設営・写真撮影 協力 谷口公太
◆お問合せ
Tel:
072-943-7007(茶吉庵)
090-7095-6386(濱谷・丸濱農園)
E-mail:info@chakichian.co.jp
◆備考
・近鉄大阪線「恩智駅」下車 徒歩8分。
・会場に駐車場はございません。お車でお越しの際は駅周辺のコインパーキングをご利用下さい。
・駐輪スペースは茶吉庵入口前と森の地蔵前になります。
