【レポート】重ねて彫る真価「和田俊史 個展『躍動』」

【レポート】重ねて彫る真価「和田俊史 個展『躍動』」

1月27日より米蔵ギャラリー1階で開催の「和田俊史 個展『躍動』」
紙を重ねて彫り込む”紙の彫刻”に皆さま息を飲まれながらご覧いただいております。
会期も残すところあと一日となりましたので、今個展の作品と和田俊史さんに作品制作への思いをおうかがいしましたのでご紹介いたします。

【彫紙アート】とは
林敬三 氏によって創始された、色のついた紙を幾重にも重ね、アートナイフで彫り込む絵画的表現技法。紙本来の色や質感を生かしたシルク版画のようムラのないなめらかな美しさと、何層にも重ねた奥行きのある立体感が魅力です。

『虎歩』

▲ジャパンあるてぃすと展2022にて「茶吉庵ギャラリー奨励賞」を受賞された作品。限られた画面で、竹林の遠近感ある空間と静かに歩みを進める虎の臨場感が見事に表現されています。

『明王』

▲今個展に合わせて作られた新作。黒のアウトラインを残した紙の彫込みという和田さんの新しい表現は、猛々しい不動明王の迫力をより際立たせています。

『太陽の化身』

▲和田さんが最初期に作られた作品。
太陽と火の鳥、ほとばしる炎とコロナの軌跡のデザインと色、背景と額のブラックのコントラストがスタイリッシュな作品です。

「彫紙アートの魅力を全国に普及させていきたいです。」

もともと絵を描くことが好きで、40才を越えた時に創始者の林敬三さんに彫紙アートを学んだことをきっかけに彫紙アーティスト・彫紙デザイナー・彫紙インストラクターとして活動を開始されます。

「紙を着色しない、糊付けしないなど、彫紙アートにはルールもありますが、制約がある方が、その中でどんな表現ができるか、技術が使えるかを考えるので、良いものが生まれますし、やりがいがあります。」


▲彫紙アートの真価ともいえる重ねた紙の厚みと奥行き
彫紙アートはその作品スタイルから、写真で撮影するとCG作品の様にも見えてしまいうので、なかなかその迫力をメディアを通してお伝えするのが、難しいですが、生でご覧いただくとその重厚感と迫力はダイレクトに伝わるので、是非ともより多くの方に直に作品を見ていただきたいです。

「紙の重ねる枚数を増やせば増やすほど確かに表現の幅は広がりますが、私は少ない枚数でも構図やデザインで十分に彫紙アート作品の表現を広げると考えております。」

『夏景』


▲水面と優雅に泳ぐ金魚を切り上げた作品。重ねた紙の枚数は7枚と彫紙アートでは比較的少な枚数ながら、水中のゆらぐ奥行きと躍動感のある金魚が涼やかで魅力的な作品です。
★全国彫紙アート展2019入賞作品

『霊木』


▲樹木とそこに住む精霊を切り上げた作品。こちらも少ない枚数ながら、樹皮や葉のシルエットのデザインによりボリュームのある作品に仕上がっています。
★全国彫紙アート展2016入賞作品

『干支』シリーズ


▲十二支を切り上げた作品。こちらは彫紙アートインストラクターとして、受講する生徒さんのために少ない枚数でデザインされた作品です。老若男女問わず親しみやすいデザインで、それぞれの作品には物語が設定されています。

「彫紙アートはまだ出来て日の浅いアートジャンルではありますが、ポテンシャルはまだまだ秘めていると考えています。これからの目標は全国に彫紙アートの魅力を広めていくことです。」

彫紙アーティストであり、彫紙デザイナー・彫紙インストラクターでもある和田さん。
教えることがお好きということで、在廊中もたくさんのお客さまに笑顔で接客、彫紙アート作品についてご説明されていました。
彫紙アートの魅力が全国に広まるのも、きっとすぐだと感じます。

和田俊史 個展『躍動』

◆開催日時
2023年1月27日(金) ~ 2月1日(水)
12:00 ~ 18:00まで
(最終日は16:00まで)
※入場無料

◆開催場所
茶吉庵 米蔵ギャラリー1階
〒581-0883大阪府八尾市恩智中町3丁目-1
公共交通機関をご利用の場合は「JR環状線 鶴橋駅」から徒歩で「近鉄 鶴橋駅」へ。「近鉄大阪線」普通にて「恩智駅」下車。 徒歩8分。

◆お問合せ
Tel:072-943-7007
E-mail:info@chakichian.co.jp

◆備考
・近鉄大阪線「恩智駅」下車 徒歩8分。
・会場に駐車場はございません。お車でお越しの際は駅周辺のコインパーキングをご利用下さい。
・駐輪スペースは茶吉庵入口前と森の地蔵前になります。

   

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