【レポート】萬世の祈り 三つの“かみ”を切る作家「内田勝美 個展『宇宙ノ柱(そらのはしら)COSMIC PILLER』」

【レポート】萬世の祈り 三つの“かみ”を切る作家「内田勝美 個展『宇宙ノ柱(そらのはしら)COSMIC PILLER』」

9月23日から米蔵ギャラリーで開催の「内田勝美 個展『宇宙ノ柱(そらのはしら)COSMIC PILLER』」
2階の大型切り絵インスタレーションをはじめ、過去最大規模の内田さんの個展は、会期中盤からリピーターの方がお越しになるほどの大反響をいただいております。
ブログでは米蔵1階・2階での展示とともに、代表作や、切り絵作家としての内田さんの思いをご紹介してまいります。

【米蔵ギャラリー1階】


▲大型作品の展示。蘭や蓮など花中心に生き物の切り絵作品を展示しております。内田さんの切り絵の代名詞である“極彩色”と、平面でありながら、紙をリンクルさせたり、階層的な配置により、とても立体的な表現がとても魅力的です。

『Nirvana』

▲涅槃を描いた切り絵作品。目にも鮮やかな桃色を基調とした紙で切り上げられた蓮の花や女性、金魚はとてもエキゾチックです。要所に使われたホログラム紙によるさし色は、より作品のもつ神々しさを増幅しています。
・2011年 神戸市民美術展 入選作品
・2013年 deviantART 一位獲得作品

【米蔵ギャラリー2階】





▲切り絵インスタレーションと神仏の切り絵作品を展示。会場のライティングはセンサーで点灯し、見る人を光と影の幻想的な天上世界へといざないます。

『Sacra』

▲南海で散ったゼロ戦の周囲に集まるアビシニアンコロブスはまるで鎮魂の祈りを捧げる古の神々のようです。ゴーグルに咲いた桜の花びらは英霊の魂を風に乗せて故国へと導きます。

『Sacra Sakura』

▲前述の『Sacra』の対作品。桜の花の下、南海から運ばれてきた英霊の魂を人魚が手繰り引き寄せます。
「Sacra」はラテン語で“神聖”の意。
糸のように光があたるときらきらと輝く桜の花びらは尊い魂の軌跡で、安らかな母の胸へと抱きしめられます。

『生々流転』



▲タイトル“宇宙ノ柱”の由来となった今展のメイン作品。全て広げると20メートルを超える超大作です。ロール状の和紙には細かい円が等間隔の列で施されおり、光があたり風に揺れると、それはまるで光と影の枯山水、輪廻を巡る数多の魂のように細かい円が会場に投影されます。

三つの“かみ”を切る作家
内田さんのご職業は美容師。“髪”と“紙”と“神”を切る作家です。
長年髪に携わられてきた内田さんはご友人がペーパークラフトをされていたことをきっかけに切り絵作家として活動を開始されます。
そして、開始と同時に神がかり的な速さで全国各地での展覧会を賞を受賞され、切り絵作家としての実績を積み上げられていきます。

「作品を作るときはイメージが“降りて”きます」

花や生き物、風景、神仏と内田さんの作品のモチーフは多岐に渡りますが、どの作品も極彩色の紙で切り上げられており、人智を超越したたたずまいです。

「思う通りの展示ができて満足です。」

ずっと今回の展示をあたためられてきた内田さん。『生々流転』は1年半もの時間をかけて切り上げられました。展示にあたり、いろいろな会場を吟味されてきましたが、昨年の「ジャパンあるてぃすと展2021」での茶吉庵ギャラリー奨励賞を授与させていただいたことをきっかけに今回の展示計画が始動。
梁を使ったダイナミックで立体的な展示から、センサーライトによる光を調整した演出と、内田さんとの打ち合わせを重ねて、今回の展示が実現いたしました。
ギャラリーとしても今回の内田さんとの展示が実現できましたことを大変嬉しく、展示の情景を万感の思いで嚙み締めております。

これからも更なる展覧会開催の予定が続く内田勝美さん。茶吉庵ギャラリーもこれからの内田勝美さんの切り絵作家としての活動を全力で応援してまいります。

内田勝美 個展『宇宙ノ柱(そらのはしら)COSMIC PILLER』

◆開催日時
2022年9月23日(金) ~ 9月28日(水)
12:00 ~ 18:00まで
(最終日は16:00まで)
※入場無料

◆開催場所
茶吉庵 米蔵ギャラリー
〒581-0883大阪府八尾市恩智中町3丁目-1
公共交通機関をご利用の場合は「JR環状線 鶴橋駅」から乗換え「近鉄 鶴橋駅」へ。「近鉄大阪線」普通または区間準急にて「恩智駅」下車。 徒歩8分。

◆お問合せ
Tel:072-943-7007
E-mail:info@chakichian.co.jp

◆備考
・近鉄大阪線「恩智駅」下車 徒歩8分。
・会場に駐車場はございません。お車でお越しの際は駅周辺のコインパーキングをご利用下さい。
・駐輪スペースは茶吉庵入口前と森の地蔵前になります。

   

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