【レポート】今を穿つ、崇高なる熱量「共鳴の時」

【レポート】今を穿つ、崇高なる熱量「共鳴の時」

松村大地 企画・主催 展覧会「共鳴の時」
現在、コロナ禍ということもあり、大変な状況の中の開催ですが、ご来場いただいた皆様、オンライン展示をご高覧いただいた皆様双方から、作品と展示展開共に、驚嘆・感動の声を頂戴し、大変な反響をいただいております。
古民家というサイト性(場所性)と、学生世代という同時代性を軸に展開された「共鳴の時」
ブログでは、今回ご出展の皆さんの作品をご紹介してまいります。

こあめさんの作品


▲独学でつまみ細工と切り絵を始められたこあめさん。ミリ単位の繊細かつ精密な手仕事の中に、彩り豊かに和と花の魅力が凝縮されています。こあめさんは現在、京手描友禅を勉強されています。

金平糖さんの作品


▲切り出された線の繊細さに加え、紙の材質、階層構造に切り絵を額装して奥行き設け、臨場感を出すなど、あらゆる表現方法で花の持つ生命力を切り絵で表現されています。

jinさんの作品


▲耐水性のペンと透明水彩で描かれたjinさんの生物画作品。生物の一瞬を捉えたものから、悠久の時間を隔てるものまで、描くテーマは様々ですが、全ての作品において、厳しい自然を生き抜く生命の躍動が現れています。

jinさんと金平糖さんの”炎””命”が主題になった合作
タイトル『白炎』

▲闇を裂くような白鯨と散り際の白藤の生き様を、白い炎に見立てた作品。

タイトル『火花』

▲牡丹とベタの命がちりちりと燃えていく様子を描いた作品。

峯尾彰太朗さんの作品


▲切り込みなどは一切入れず、すべて一枚の正方形の紙から折られている峯尾さんの折り紙作品。複雑系折り紙技巧を駆使して作られた作品は、細部にまでこだわり抜かれ、形状だけではなく、生物のもつ多様な質感までも表現されています。

伽(とぎ)さんの作品

▲線テーマに漆と線を組み合わせて制作された伽さんの作品。”線”は過ぎ去っていく時間や記憶を、”漆”はそれを確かめることのできる”触覚”を表現しています。小振りながらも今回の作品には大きな”うねり”を感じることができます。

松村大地さんの作品
タイトル『たちこめる』

タイトル『Dahlia』

▲今回の新作。同じ構図で対作品とも呼べるダリアを表現した2作品。『Dahlia』はアクリル絵の具で描かれており、キャンバスの中に確固たる静物としての揺るがぬ形様が現れております。一方『たちこめる』は楮紙をシャープかつ柔らかな線で切り上げられた切り絵作品。黄昏を思わせる彩色された和紙を背景に透明のアクリルパネルで挟み、宙に浮いた状態で展示されており、視点や時間によって、変化を楽しむことができます。古民家という会場で、異なる手法で、一際輝く存在感を放つ2つの作品。見比べてみると非常に面白く、美しいという言葉だけにはとどまらない奥深さがあります。

代表作「spiral」

松村さんご本人による作品解説リンク
https://note.com/daichi_art_/n/n4f3b08689021

作品制作から企画、空間展示、DMデザイン、キュレーションと「共鳴の時」を一挙に手掛けられた主催の松村大地さん。2020年12月6日現在19歳。

「想像の創造」
どのような表現を行いたいのか、
そのためにどのような過程を踏むのか、
まだ見ぬ作品を想像し
創造してゆくすべての段階が、
また、信念を持ち、
理想に向かい、
筋道を立て、
そのための手段を
一つ一つ踏んでゆくこの過程全てが
芸術創造の一つではないだろうか。

自らの作品を美術館に所蔵されることを念頭に置いた上で、素材の選定から、コンセプト、造形表現に至るまで、一作品一作品、丁寧で隙のない制作を心がけ、創作活動を展開されています。

松村さんを始め、今回の展覧会に出展されたアーティストの皆さんは10代から20代前半と非常に若い世代の方たちばかりです。しかし、芸術表現にかける真剣で、真摯な姿勢、技術、熱量、どれも比類ないもので、先に年を重ねた者の方が、むしろ新しい世代から学ぶことが多くあります。
今回、茶吉庵ギャラリーで「共鳴の時」開催が実現したことは、ギャラリーとして何よりもえがたい研鑽であり、今回の展覧会を通して、出展アーティストの皆さんから多くを学ばせていただきました。

今回ご出展の皆さまに茶吉庵ギャラリーとして、改めて敬意を表します。

未踏の境地に挑む若きアーティストに幸あらんことを!

◼︎「共鳴の時」ネット通販・オンライン展示特設ページ
kyomeinotoki.wixsite.com/website-2020
※期間限定公開

共鳴の時 キョウメイノトキ

◆出展作家◆
こあめ
金平糖
jin

松村 大地
峯尾 彰太朗

◆開催日時
2020年12月2日(水) ~ 12月7日(月)
12:00 ~ 18:00まで
(最終日は16:00まで)
※入場無料

◆開催場所
茶吉庵ギャラリー
〒581-0883大阪府八尾市恩智中町3丁目-1
公共交通機関をご利用の場合は「JR環状線 鶴橋駅」から徒歩で「近鉄 鶴橋駅」へ。「近鉄大阪線」普通にて「恩智駅」下車。 徒歩8分。

◆お問合せ
Tel:072-943-7007
E-mail:info@chakichian.co.jp

◆備考
・近鉄大阪線「恩智駅」下車 徒歩8分。
・会場に駐車場はございません。お車でお越しの際は駅周辺のコインパーキングをご利用下さい。
・駐輪スペースは茶吉庵入口前と森の地蔵前なります

主催・企画:松村大地
共催:茶吉庵

   

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