【レポート】畏怖堂々『茶吉庵 百物語展 第四章』

【レポート】畏怖堂々『茶吉庵 百物語展 第四章』

2023年9月29日より開催の「茶吉庵 百物語展 第四章」
会場も新たに、舞台を米蔵ギャラリーへと移し、1階は楽しい妖怪がたくさんの妖の館、2階は怖い妖怪もいる濃密なお化け屋敷と、いろんな種類の妖怪が集まっております。
会期も残すところあと一日となりましたので、今回の出展作品をご紹介してまいります。

霞楽箱さんの作品



▲細密に焦がしこまれた、霞楽箱さんのpyrography(焦がし絵)作品。スタイリッシな中にも、とても良いバランスでユーモアが盛り込まれています。新作の「月光」は飾る場所の雰囲気でも遊べる、面白い秋を感じさせる作品です。

木津美幸さんの作品


▲日本各地や世界の民話をテーマに作品を制作されている木津美幸さん。透明感のある豊かな色彩で描かれた作品は、素朴かつ楽しく妖怪の世界を見る人に伝えます。

幻想魔術店fumikaさんの作品


▲切り絵、エッグアート、造形と多岐に渡って製作されたfumiikaさんの作品。細部に至るまで丁寧に作りこまれたダークファンタジーを表現した作品やアイテムは多くの人の心を虜にします。今回は樹脂粘土を使った制作過程の作品も展示しております。

まよいふきさんの作品



▲まよいふきさんのジオラマ・陶器作品。障子を打ち破り侵入する巨大な「がしゃどくろ」、腰を抜かす人間、舞台の和室のドールハウスと、どれも細部に至る作りこみがすさまじく、」ジオラマという小さいからこそ、迫力とダイナミックさがダイレクトに伝わってきます。

櫻屋蜃気楼(さくやみらーじゅ)さんの作品


▲櫻屋蜃気楼さんの立体作品。軽量で柔らかい素材でできた可愛い妖怪は思わず手に乗せたくなります。今回新作シリーズSAKUYA DOLLは稼働式関節のドール作品でお座り姿が可愛らしいです。

吉田イキルさんの作品


▲吉田さんのアクリル画作品。雨の中で佇む唐笠おばけはどこか哀愁が漂い、その瞳は傘という自らの宿命を憂いているかのような眼差しです。丁寧な描写と蒸しこむ雨の空気感がとても素晴らしいです。

徳平薫さんの作品


▲徳平薫さんの色鉛筆作品。第一回から茶吉庵にまつわるものの付喪神を描き続けてくださっています。今回はつい先日当庵にきた石灯籠の付喪神。暖かい光の中、優しい表情を浮かべる灯篭妖怪は、とても可愛らしく穏やかで、見る人の心をほっこりさせます。

やべあづささんの作品

▲女蜘蛛を描いた矢部さんの墨絵作品。コミカルに描かれた赤い瞳の女蜘蛛はまさに”キモかわいい”という言葉がぴったりです。

海誓さんの作品

▲海誓さんの絵画妖怪作品。ビビッドな色彩と盛り上げた三つの眼のマチエールは現代アート的でどこか神々しさも感じさせます。

香川那月 ~723gallery~さんの作品


▲香川さんの抽象画作品。人間の内面に潜む欲望や想いのエネルギーを妖怪として抽象画に具現化されました。ゴールドの点描で描かれた人体の部分にはシルバーの彩色も重ねられ、光の当たり方や見る角度によって、様々な不思議な輝きを放ちます。

鈴木マヤ子さんの作品



▲「赤」「白」「黒」をシンボルカラーに使った鈴木さんの平面・立体作品。今回展示の「アマビエ」「烏天狗」をモチーフにした、香川県の伝統工芸「丸亀団扇」とのコラボレーション作品は今回のテーマにぴったりのシリーズ作品です

イイフミエさんの作品



▲イイフミエさんの墨絵作品。暖簾状の和紙に描かれた彼岸花の隙間から除く河童の姿や瓶詰にされた河童はどこかミステリアスで謎めいています。今回初めて吊り型作品にチャレンジされたイイフミエさん。回を重ねるごとに新しい表現、新しい展示にチャレンジされています。

辻笙さんの作品



▲掛け軸、切り紙、インスタレーションと多岐に渡る辻笙さんの作品。特に今回、米蔵2階の梁を活かした提灯によるインスタレーションは圧巻の迫力です。

河内之百鬼丸さんの作品



▲河内之百鬼丸さんの「鬼蜘蛛」。今にも動き出しそうな巨大な多足、充血した瞳など、今展で最も恐怖に満ち満ちた妖怪作品です。加えられた鳥の足や指など、恐怖を彩るアイテムも作りこまれています。鬼蜘蛛の足もとに設置された鏡には・・・

幻獣屋☆幽幻さんの作品


▲幻獣屋☆幽幻さんのハンドメイド妖怪作品。ユニークな造形と特筆すべきは設定の詳細。妖怪の一体一体に物語や詳細な設定が存在します。幻獣屋さんの今回の「錆豹管ーさひょうかん-」は一つ目の可愛らしくもどこかひょうきんさも感じされる新作の妖怪ドールです。

九闇商店さんの作品


▲九闇商店さんの樹脂・ドール作品。樹脂粘土、レジンを使った作品は怪しくも神秘的です。蛇上のドール作品は腕にまいて装着することも可能です。

「畏怖」とは「自分の力が遠く及ばない存在から、不気味な威圧感を感じて恐れおののく」という意味の熟語。

いろんな妖怪が集まっている「百物語展 第四章」ですが、今回、怖い妖怪の作品はこれまでの回に比べてより恐ろしく、小さなお子のお客様はもちろん、大人のお客様も近くで作品を見ることができなかったり、その怖さに泣いてしまう方もおられました。お客様に怖い思いをさせて申し訳ないと思いつつ、作品を通じて恐怖という心の動きを垣間見られ、妖怪というテーマならではの「畏怖」が感じられる企画を展開できたこと、少し嬉しく感じております。

おまけ
今回もやってきました
妖怪大集合!!!





▲大好評、妖怪似顔絵


▲妖怪図鑑も第一巻が完成し、いよいよ第二巻へ!

来年の「茶吉庵 百物語展 第五章」もどんな妖怪が集結するのか今からとても楽しみです!

茶吉庵 百物語展 第四章

◆出展作家◆
イイフミエ
海誓
香川那月 ~723gallery~
霞楽箱
河内之百鬼丸
木津美幸
九闇商店
幻獣屋☆幽幻
幻想魔術店fumika
櫻屋蜃気楼
鈴木マヤ子
辻笙
徳平薫
まよいふき
やべあづさ
吉田イキル

DM・バナーメインビジュアル
茶吉庵妖怪 創造神
一つ目蔵小僧 ©河内之百鬼丸
屑撒 ©中川みき
吉兵衛達磨 ©辻笙
機織猫 ©徳平薫
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◆開催日時
2023年9月29日(金) ~ 10月4日(水)
12:00 ~ 18:00まで
(最終日は16:00まで)
※入場無料

◆開催場所
茶吉庵 米蔵ギャラリー
〒581-0883大阪府八尾市恩智中町3丁目-1
公共交通機関をご利用の場合は「JR環状線 鶴橋駅」から徒歩で「近鉄 鶴橋駅」へ。「近鉄大阪線」普通にて「恩智駅」下車。 徒歩8分。

◆お問合せ
Tel:072-943-7007
E-mail:info@chakichian.co.jp
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◆備考
・近鉄大阪線「恩智駅」下車 徒歩8分。
・会場に駐車場はございません。お車でお越しの際は駅周辺のコインパーキングをご利用下さい。
・駐輪スペースは茶吉庵入口前と森の地蔵前になります。

   

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