4月28日から開催の『明治・大正 近代浪漫展 第二幕』。おかげさまで連日たくさんの方にご来場いただいております。どの時代も時の流れととともに当時を知る人は少なくなっていきますが、色あせることは決してありません。なぜなら、その時代の文化に心動かされたものが、様々な表現を通じてさらに先の時代へとその素晴らしさを伝えるからです。会期もいよいよ残り一日となりましたので、今展の出展作品をご紹介いたします。
PAPARAさんの作品
▲PAPARAさんの絵画・イラストレーション作品。パステルカラーのふんわりとした”ガール”作品は乙女の夢が詰まっています。レースやラインストーンが作品に使用され当時のキラキラに憧れる少女の心が可愛く表現されています。
Kikopiさんの作品
▲スペイン発祥のタイルアート。当時建築で流行した”アール・デコ”調の紋様の作品を和の釉薬を使って製作。通常ビビッドな色彩がメインのスペインタイルに和の色をあえて用いた意欲作です。
千崎輝幸さんの作品
▲オハジキアートの千崎さん。今回は大正時代に流行した着物の柄を水面に見立て、金魚作品を制作されました。オハジキの持つレトロ感も相まって、日本の古き良き時代を思い起こさせます。
稲木纖さんの作品
▲透明水彩で描かれたかわいいコミック調のイラスト作品。新作「あれもこれも」はデジタルで構図や彩色のシミュレーションを重ねられた力作で、とても上品で可愛らしい仕上がりとなっています。
谷口公太さんの作品
▲谷口公太さんのポスカ画作品。今回は現在の文明開化の”開化(かいけ)’という仏教用語をヒントに様々な解釈で「自立」を目指す女性を少し毒のある雰囲気で描かれています。色使いがとてもエキゾチックです。
紫温さんの作品
▲紫温さんの切り絵作品。ペンよりも細いヘアラインの切り絵線を生かし、着物姿の女性をテーマに作品を製作されています。帽子、手袋、マフラーなど当時のハイカラで垢抜けた女性が魅力的です。
高菜汁粉さんの作品
▲高菜汁粉さんのステンドグラス作品。障子と四季の花を組み合わせた灯作品は窓からの自然光で優しく光りを通します。障子は自然光でおぼろげに映し出される詩が刻まれています。今回の灯作品に合わせた詩×小説の文芸作品も製作されました。
手造り布人形 みの里さんの作品
▲みの里さんの心温まる布人形作品。昔懐かしい”お爺さん””お婆さん”との暮らしをモチーフにした作品は、日々忙しさに飲み込まれる現代の私達に癒しと和みをもたらしてくれます。衣装には広島県備後地方伝統工芸の備後絣が使われています。
平尾れんさんの作品
▲平尾さんの水彩画・イラストレーション作品。当時の生活の一面を捉えた作品はオシャレなポスターの挿絵を彷彿とさせます。描く水彩紙にもエイジングとなる下塗りが施されレトロ感をアップ。可愛い猫が作品に華を添えています。
鈴木マヤ子さんの作品
▲「赤」「白」「黒」をメインカラーに平面立体問わず制作される鈴木マヤ子さん。今回は、大正時代と時を同じくして流行した”ロシア・アバンギャルド”をコンセプトに展示を行って下さいました。ディスプレイの織物は大正生まれのお祖母様から伝えられたものです。
櫻屋蜃気楼さんの作品
▲櫻屋さんのイラストレーション作品。今回も櫻屋さんの持ち味である”ユルい”さと妖怪成分が満点です。
●明治・大正 近代浪漫展2 所蔵作品
◇第五回内国勧業博覧会
大阪毎日新聞
明治三六年一月一日発行付録
茶吉庵の前進となる萩原織布が出店
開催会場は現在の天王寺から新世界
●明治・大正 近代浪漫展2 所蔵作品
◇赤松輪作「一心寺」
制作年:大正13-14年
◇大正書籍「自由な油絵の学び方 」
信濃橋美術研究所
茶吉庵ギャラリー 顧問 堀川雅仁 所蔵
これまでの価値観が一転し、動乱を経て迎えた新時代。そのありようは、さまざまな騒乱を経て未来へ突き進んでいる現在とオーバーラップしている気がしてなりません。しかしながら、いつの時代の転換期も人々は新しい文化を取り入れ、順応し、自らの生活や表現を昇華させてきました。そのたくましさこそが、今もなお人々を魅了し続け、さまざまな媒体で日本近代をテーマにした多くの作品を生み出しているのではないでしょうか。
明治・大正 近代浪漫展 第二幕
◆出展作家◆
稲木纎
Kikopi
櫻屋蜃気楼
紫温
鈴木マヤ子
千崎輝幸
高菜汁粉
谷口公太
手造り布人形 みの里
PAPARA
平尾れん
◆開催期間
2023年4月28日(金) ~ 5月3日(水)
12時~18時迄
(最終日16時迄)
◆開催場所
茶吉庵 米蔵ギャラリー
大阪府八尾市恩智中町3-1
※入場無料
・会場に駐車場はございません。お車でお越しの際は駅周辺のコインパーキングをご利用下さい。
・駐輪スペースは茶吉庵入口前と森の地蔵前になります。
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